命からがらの語源は困難を表した「辛い」を重ねた「命辛々」です。
本当に危機一髪な状況から命だけは失わずギリギリ済んだことを「辛い」という言葉を重ねる事で表現しています。
命からがらの語源は困難を表した「辛い」を重ねた命辛々
命からがらは、漢字で「命辛々」と表記されます。
命からがらの語源は、「辛い」の意味からきています。
「辛い」の意味には塩味が強いという意味がありますが、他にも困難な状況・心情的につらい思いを表す意味もあります。
「命」と「辛い」の意味の組み合わせから、命だけは失わずギリギリ済んだという意味で「命辛々」が使われるようになりました。
「からい」と「つらい」両方「辛い」という漢字の理由
「からい」と「つらい」が両方「辛い」という漢字の理由は、「からい」と「つらい」が元々同じ感覚を表す言葉だからです。
人間の味覚は、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5種類あります。
「からい」は味覚に含まれていません。
人が「からい 」と感じる時「痛い」と感じるため、「からい」は痛覚なのです。
「からい 」ことが「痛い」時に「つらい」と感じる。
そのため、「からい」と「つらい」は両方「辛い」という漢字で表されます。
命からがら以外の畳語の意味と語源
畳語とは、同じ単語や語根を重ねて一語とした複合語のことを言います。
同じ音や言葉を繰り返すことで、意味を強めたり複数の物事を指したり、反復・継続などを表したりします。
ほのぼの
ほのぼのは、漢字で仄々と表記されます。
ほのぼのの意味
ほのぼのは、夜が明けて微かに明るくなる様子という意味があります。
また、ほんのりと心の暖かさなどを感じる様という意味もあります。
ほのぼのの語源
ほのぼのの語源は、「ほのか」という言葉を繰り返したことだとされています。
ほのかは「仄か」と漢字で表記し、わずかにそれだと認められる様、心や意識がぼんやりとしている様子を表す言葉です。
この「仄か」を繰り返して、「仄々」という言葉が生まれました。
しぶしぶ
しぶしぶは、漢字で渋々と表記されます。
しぶしぶの意味
しぶしぶは、不本意ながら仕方なく承知・実施する様という意味があります。
しぶしぶの語源
しぶしぶの語源は、渋柿を食べた時の表情からきています。
渋柿のような苦くて渋い物を食べた時の表情で、またはそのような気分で納得していないのに承知・実施することから、「渋々」という言葉が生まれました。
わざわざ
わざわざは、漢字で態々と表記されます。
わざわざの意味
わざわざは、その物事の為だけに特別に行う様という意味があります。
わざわざの語源
わざわざの語源は、「態々し」という古語からきています。
「態々し」には、しなくてもいいことをする様という意味があります。
「熊」の字には「さま」「すがた」「わざと」という、表外読みがあります。
そのため「態々し」が「態々」と省略化され、「わざわざ」と読むようになりました。
「辛」と「幸」の漢字の成り立ち
「辛」と「幸」という漢字は似ていますが、それぞれ成り立ちが異なります。
「辛」も「幸」も、どちらも象形文字から成り立っています。
処罰の際に奴隷の額に入れ墨をする、取手のある針の形を表したものが「辛」です。
処罰の際に使われた、手枷の形を表したものが「幸」です。
それぞれ刑罰の際に使用された道具であることは同じですが、成り立ちに関係性はないとされています。