ブランコの語源は鞦韆(しゅうせん)という遊具がぶらんとなる様子

ブランコの語源は、鞦韆と呼ばれる、今でいうブランコに似た遊具が、ぶらんぶらんとぶら下がる様子です。

ちなみに、日本には平安時代から今でいうブランコに似た遊具が存在していました。

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ブランコの語源は鞦韆と呼ばれる遊具がぶら下がる様子から生まれた言葉

ブランコの語源説はいくつかありますが、江戸時代にブランコの前身である鞦韆(しゅうせん)と呼ばれる遊具がぶらんと、ぶら下がる様子から「ブランコ」に転じたとされている説が有力だとされています。

 

また、ポルトガル語の「balanço:揺れや振動の意」パランソというポルトガル読みが「ブランコ」に転じた説もありますが、「パランソ」から「ブランコ」には変化しにくい、転じるのには無理があると言われ、信憑性が弱いとされています。

・ブランコの語源はブランコの前身である鞦韆(しゅうせん)と呼ばれる遊具が、ぶらんぶらんとぶら下がる様子から転じた言葉が由来。
・ポルトガル読みの「balanço:パランソ」から転じた説もあるが、無理があるということで説が弱い。

 

ブランコそのものは日本では平安時代から存在していた

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ブランコは昔、鞦韆(しゅうせん・ゆさはり・ふらここ)と呼ばれていた

もともとブランコは、古代中国より伝来してきた遊具であり、中国では「鞦韆(しゅうせん)」と呼ばれていました。

「鞦」「韆」は、両方とも「揺らす・揺さぶる」という意味を持つ漢字なので、遊具に人を乗せ、前後に揺らすことから「鞦韆(しゅうせん)」と古代中国で名付けられました。

そして太古の時代に日本に伝来され、江戸時代まで「鞦韆(しゅうせん)」と呼ばれていました。

 

しかし、平安時代の一部の書物では、「鞦韆」と書いて「ゆさはり」「ふらここ」という別の読み方で記載がされています。

その理由は不明ですが、おそらく「鞦韆」を小さい子供にもわかってもらうため、遊具を揺らす仕草をそのまま言葉に置き換えたのだと思われます。

 

確かに現代で「鞦韆」を「しゅうせん」と読むより、「ゆさはり」と呼んだ方がブランコとしてピンとくるような気がします。

・ブランコは古代中国より伝来し、「鞦韆(しゅうせん)」と呼ばれていた。
・平安時代の書物の一部では、「鞦韆」と書いて、わかりやすいように「ゆさはり・ふらここ」と記載されていた。

 

「秋千」「由佐波利」とも呼ばれていた

「鞦韆」の読み方がいくつかもあれば、「しゅうせん・ゆさはり」の漢字表記も他にもあります。

 

まず、「しゅうせん」は「鞦韆」の他に「秋千」という表記があり、こちらは「鞦韆」という表記が難しいことから「秋千」と簡単な表記で代用されました。

 

そして「ゆさはり」は、平安時代の和名抄には、鞦韆を和名表記で「由佐波利(ゆさはり)」と記載されていたことから、鞦韆を「由佐波利」とも漢字表記されていました。

現代から見るとすごく当て字っぽい感じがしますね。

 

ちなみに、「秋千」と表記することからブランコは秋の季語なのかと思われがちですが、実は春の季語なのです。

 

その理由は、古代中国では冬至から105日目(現在の暦では4月初め)を「寒食節」と呼び、火を使わない冷めた食事をする習慣があり、ブランコ(鞦韆)はその日に行われる遊びだったので、そこからブランコは春の季語になりました。

 

・「鞦韆」は漢字表記が難しいという理由で「秋千」と簡単な漢字表記にしていた。
・「鞦韆」の和名表記もあり、「由佐波利」と表記をしていた。
・「鞦韆」の季語は秋ではなく、春の儀式でブランコが遊ばれたため、季語は春。

 

明治時代、ブランコは器械体操に使われていた

明治時代の「『新板器械体操之図(明治中期)』の浮世絵では、棒高跳び、木馬、ブランコ、吊り輪、鉄棒などの器械体操を取り組む男子の姿が描かれており、明治時代ではブランコが器械体操に使われていたのがわかります。

 

器械体操のルーツは、1853年(寛永6年)のペリー来航によるもので、開国を迫るアメリカに対して、徳川幕府が国防を必要と感じ、西洋式の軍事技術を取り入れました。

その軍事技術の調練の中に「体術・体操」が含まれており、器械体操による訓練が始まったとされています。

 

当初、軍隊の訓練目的で導入された器械体操は、やがて教育現場にも遊具として取り入れられていきます。

 

かの有名な慶應義塾大学の創始者・福澤諭吉は、いち早く体育の重要性に目をつけており、大学の中庭を運動場代わりにし、そこにシーソー、ブランコ、鉄棒などの運動遊具を設置していきました。

設置後は、専門の講師を雇って学生に運動を教えていき、そこから体育が授業の一環として、他の教育現場でも広まったとされています。

 

・軍事目的で体術の調練を導入したことにより、明治時代ではブランコが器械体操として使われていた。
・教育現場では、福沢諭吉が大学内に運動遊具を設置し、専門の講師によって運動の教育が始まり、体育の授業が広まっていった。

 

ブランコは意外とバリエーション豊富

一方向ブランコ

公園に設置してある最もポピュラーで、一般的なブランコのことです。

支柱に2本の縄や鎖で吊り下げられた板に乗って、座って漕いだり、立って漕いだりして遊びます。

また、板の代わりにタイヤやゴム製のベルトが使用されることもあり、いろんな形式があります。

 

タイヤブランコ(全方向ブランコ)

3本の鎖が放射状にタイヤに繫がれている形式のもので、360度の方向に動くことから、全方向ブランコとも呼ばれます。

また1本の鎖状でタイヤが縦状のものあり、こちらはタイヤにまたがって、鎖にしがみつく姿からターザン遊びとも言われています。

 

箱ブランコ

 

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二人以上で乗り合わせるタイプのゆりかご型ブランコで、漕ぐときは外部から他の人に揺らしてもらうか、乗っている人間たちで、力を合わせて体で揺らして遊びます。

 

遊動円木

 

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丸太などの両端に鎖をつけて低く水平につり、その上に乗って前後に揺り動かして遊ぶもので、丸太の上に立って平衡感覚を養うためのアスレチック的な役割も果たします。

丸太から落ちても安全を保つために、地面すれすれに丸太が設置してありますが、丸太が長いがために揺れる際、外部の他の人にぶつかってしまう事故も多くみられました。

現在ではそういった事故防止のために使用禁止・撤去の措置が取られています。

 

スイングレーサー

漕いで前進するブランコで、コース形式になっており周回するタイプのブランコです。

激レアなブランコのため、日本では富山県の桜ヶ池公園もしくは、香川県のさぬきこどもの国の2か所にしか設置されていません。

 

H3:2人乗りブランコ

画像引用:二人乗りブランコ

 

通常のブランコでの二人乗りが危険を伴うため、複数で楽しく乗れるように設計したブランコです。

 

乗る部分はネット状やゴム製など複数でも乗れるよう面積が広く、頑丈に作られており、対面や向かい合わせに乗ってお互いの力で漕いでいくタイプのブランコです。

そのため、子供たち同士で協調性を育めたり、思いやる心が生まれたりするなど、遊びを通して、関係を築くうえで大切な部分も養います。

 

バケット型ブランコ(ベビーブランコ)

 

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バケット型ブランコは、一方向ブランコと同じ方向型ですが、バケット型は赤ちゃんを載せて楽しませるために作られたブランコで、ベビーブランコとも呼ばれています。

 

一方向ブランコとの最大の違いは、親御さんが赤ちゃんを載せるための設計をしているため、地面から高い位置に設置されています。

 

ハイジが乗っている天空のブランコが日本に存在する?

 

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日本には絶景を楽しめて、アニメの気分になれるブランコが存在します。

 

長野県白馬村の白馬岩岳山頂にある北アルプス白馬三山を一望できるブランコが設置されています。

山頂なので天空に近い形のブランコで、アルプスということもありながら、アルプスの少女ハイジになったつもりで空と山に飛び込める感覚を楽しめます。

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