モテるの語源はそのまんま持てる。使われ始めは遊郭での人気者から。

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モテるの語源は「持つことができる」

「モテる」の語源は「持つ」の可能動詞である「持てる」です。

持つの可能動詞である「持てる」が「人気がある」の意味で最初に使われたのは、江戸時代の遊郭だとされています。

遊女に気に入られる客のことを「もてる」と言い、現代と同じ様に異性から人気があると同じ意味になりました。

「もてる」は「ありんす」「主さん」などと同じく、廓詞(くるわことば)だったのです。

「モテる」がカタカナと平仮名が混ざる理由

「人気がある」という意味での「もてる」は、現在ではカタカナと平仮名を混ぜて「モテる」と表記することが一般的です。

「モテる」とカタカナと平仮名を混ぜて表記するようになったのは、昭和の中期頃とされています。

「モテる」の表記にカタカナを使うのは、次のような理由が考えられています。

 

現在でも漢字の「持てる」は本来の「持つことができる」の意味で使われます。

そのうえ「人気がある」の意味の場合でも「持てる」「もてる」と表記すれば、まぎらわしいし、誤解を招く事が多いです。

したがって「人気がある」の意味の「モテる」は、「持つことができる」の意味の「持てる」と区別するためにカタカナを使った表記になっていったと考えられています。

 

たとえば次の2文を比べてみてください。

「もてる男は人生に希望がもてる。」

「モテる男は人生に希望が持てる。」

「モテる」と「持てる」で書き分けたほうが、分かりやすいです。

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モテるを漢字で書くと「持てる」

語源から明らかなように、「モテる」は漢字では「持てる」と書きます。

昭和中期に「モテる」と表記する前は、「持てる」と表記しました。

 

ちなみに「モテモテ」「大モテ」「モテ期」などカタカナで表記している「モテ」が付く言葉も、『デジタル大辞泉』では、それぞれ「持て持て」「大持て」「持て期」と記載されています。

モテるとチヤホヤされるの違い

「チヤホヤされる」は「モテる」と似た意味の言葉ですが、「モテる」と「チヤホヤされる」には微妙な違いがあります。

「ちやほや」は『デジタル大辞泉』では次のように解説されています。

ちやほや:相手の機嫌をとるようなさま。「ちやほや(と)甘やかす」「ちやほやされていい気になる」

 

また「ちやほや」の語源は、親が子供を甘やかして大切に育てる様子を表す「蝶よ花よ」だということです。

昔から「蝶よ花よと育てられ……」という言い方をしますね。

この「蝶よ花よ」が短縮されて「ちやほや」になったようです。

 

したがって、本来の「チヤホヤされる」は、性別に関係なく、おだてられたり甘やかされたりする様子を表していると言えます。

対して「モテる」は、遊郭で使われたことから分かるように、「異性間の恋愛」の意味合いが強い言葉のようです。

・「モテる」は異性間の恋愛
・「チヤホヤ」は性別に関係なく、おでてられたり甘やかされる事

 

「モテる」に似た言葉「ひっぱりだこ」の本当は怖い意味

「モテる」「チヤホヤされる」と同様に「人気がある」の意味で使われる言葉「ひっぱりだこ」。

「モテる」に近い言葉のようですが、実は「ひっぱりだこ」には怖い意味があるのです。

 

「ひっぱりだこ」を『デジタル大辞泉』で調べると、次のように解説されています。

  1. 人気があって、多くの人から争って求められること。また、その人やその物。「あちこちから―の売れっ子」
  2. 磔 (はりつけ) の刑。

「片仮名の木の空で、このやうに手を広げ―は知れたこと」〈浄・歌念仏〉

磔(はりつけ)とはご存じのように、かつて行われていた死刑の執行方法です。

そもそも「ひっぱりだこ」は、タコの干物を作る時に足を四方八方に広げて干したことが語源になっています。

磔にされた死刑囚の姿がタコを干した姿に似ているので、磔の刑を「ひっぱりだこ」と言うようになったのでしょう。

モテたり、チヤホヤされたりするのは大歓迎ですが、磔にされるのはちょっと嫌ですよね……

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