・公園でテントが禁止されている理由
・公園を禁止している自治体の条例の例
・テントが張れる公園一覧
テントを広げられるようなある程度広めの公園だと、人も多いから、ここにテント張ってもいいのかなって躊躇するよね。
公園でテントが禁止されている理由
広大な敷地を保有している自然豊かな公園へ行くと、キャンパーなら、ここでテント張ったら気持ちいいのでは?と考えてしまいます。
これも公園の広大な芝生と、キャンプ場の芝生サイトの景観がとても似ているからではないでしょうか。
でも実際は、公園の芝生にテントを設営することは「他の公園利用者へ支障が出ること」が予想されるため、禁止されている場合が多いです。
ここでは、「他の公園利用者へ支障が出ること」が予想される3つの理由について、細かく紹介していきます。
テントを固定するペグやロープに他の人が躓いてケガをする可能性がある
テントの設営は、ロープをペグで固定し、テンションを張ることでテントが固定するので、ペグやロープの使用は必須です。
このロープやペグはキャンプ場でもひっかかったり、躓くことがあるので、それほど意識していない公園などではキャンプ場以上に危険です。
特に公園は、テントを普段見慣れていない小さな子供たちも沢山遊んでいます。
思いっきり走ってきて、ロープにひっかかったら、重大な事故に繋がる危険性もあり、テントの設営を禁止しているのです。
強風に煽られてテントが飛んで他の利用者がケガをする可能性がある
周りに建物がない公園の芝生スペースは、強風が吹くことは十分に考えられます。
強風でテントが飛ばされる可能性は低いかもしれませんが、可能性がゼロではない限り、公園というスペースでのテント設営は禁止されていても当然です。
公園は老若男女、様々な人が自由に利用する場所です。
ここでは、「安全であること」が保障されていなければなりません。
強風時、テントが吹き飛ばされる不安があるだけでも、他の公園利用者に迷惑です。
テントは強風で飛ばされる可能性があるため、テント設営は禁止されていても当然。
ペグ等を打ち付けると園地の芝生へ影響がでてしまう恐れ
公園の芝生は、自然に生えている訳ではありません。
芝生の状態を維持するためには、芝生を養生する時間と管理費も発生します。
ペグ等で芝生が剥がれて枯れてしまっては、公園の景観が損なわれてしまい、芝生の状態を復元させるには、再度費用と時間が必要になります。
芝生が剥がれて枯れてしまうかもしれないテント設営は、禁止。
公園でテントを禁止かどうかを決めるのは自治体
日本全国の「公園」全てが、テント設営が禁止されている訳ではありません。
これは、自治体ごとに条例が異なり、公園でのテント設営を禁止しているかどうかを決めているからになります。
自分が住んでいる市は公園でのテント設営が禁止されていないのに、隣の市の公園は禁止だったなんてことも。
トラブルを防ぐためにも、公園でテントを設営する場合は必ず、テントを張ってよいかどうか確認しましょう。
国の都市公園法ではテントを禁止していない
公園を管理する上で、国が定める都市公園法という法令があり、この基準に沿って公園は整備されています。
この「都市公園法」の中にテント設営の禁止は明記されていません。
ここだけを見ると、テント張ってよいのでは?と分かりづらいところではあります。
テントを張ってもよいのでは?と勘違いしてしまいがち。
テントを禁止している自治体の条例
自治体とは、分かりやすく言うと都道府県、市町村や区などの行政機関(地方公共団体)のことを言います。
公園は、上記に記した国の「都市公園法」に基づいて、基本的には自治体ごとに細かく定められた条例をもとに、管理されています。
ここでは、自治体ごとにテントの設営を禁止している条例を紹介します。
川崎市の条例
川崎市では、川崎市都市公園条例第4条第1項10号において、「指定され場所以外で、キャンプや寝泊まりをする行為」を禁止しています。
稲城市の条例
稲城市では、市立公園内の利用に関する基準の中で、テントの設置を禁止しています。
「テントの設置は、芝生等を傷める可能性があるので禁止する。また公園内での宿泊も禁止とする。※簡易的な日除けや移動式ベンチは可」と明記されています。
埼玉県の条例
埼玉県都市公園条例第12条(管理者の定めた禁止行為)に、「許可なくテント、タープ等を設置するなど、独占的に園地を利用することを禁止する」とあります。
理由の違い、言い方の違いはあっても、テント設営は禁止事項として条例で決められている。
テントNGな公園
広い芝生広場がある公園でも、以前はテント設営OKだったのに、2021年現在では禁止になっている公園も増えました。
下記に、公園管理事務所にてテント設営NGを確認した公園を紹介します。
※ここでいうテントとは、ペグ打ちをするようなテントやタープです。
ワンタッチテントは、熱中症予防などの点から使用が認められています。
【2021年現在、テント設営NGの公園】
- 水元公園(東京都葛飾区)、
- 小金井公園(東京都小金井市)
- 根岸森林公園(神奈川県横浜市)
- 長坂谷公園(神奈川県横浜市)
- 大崎公園(埼玉県さいたま市)
- 青葉の森公園(千葉県千葉市)
- 自然公園(千葉県千葉市)
テントが張れる公園
デイキャンプ、テントの試し張り、テントの乾燥場所としても公園は絶好の場所です。
ただ、数年前はデイキャンプOKだった公園も、利用者のマナーの悪化により禁止になってしまっている場所もあります。
ここで紹介している公園を利用する場合も、利用時テント設営OKかなど再度確認してから、公園へ行くようにしてください。
東京都
東京都心の公園は、芝生も広くレジャーシートを広げてくつろげる場所も多くありますが、基本的に都立公園は、テントの設営が禁止されています。
ここでは、東京都内でもテントが設営出来る公園を紹介します。
城南島海浜公園【東京都大田区】
第一キャンプ場(20サイト)、第二キャンプ場(18サイト)、オートキャンプ場(22サイト、家族限定)の3つのスペースでテントが張れます。
羽田空港へ離着陸する飛行機が間近で沢山見られるので、飛行機好きなお子さんがいるキャンパーさんはチェックしたい場所です。
・住所 TEL
東京都大田区城南島4丁目2-2
TEL 03-3799-6402
https://seaside-park.jp/park_jonan/bbq/
若洲公園【東京都江東区】
若洲公園の中にキャンプ場があり、テント設営が可能です。
サイトは区画サイトが117サイト、コインシャワー2箇所と炊事場、かまどなども完備されている23区内では珍しい大きめの施設です。
デイキャンプでも21時まで利用出来るので、宿泊を予定していなくても、のんびり過ごせます。
・住所 TEL
東京都江東区若洲3丁目2-1
TEL 03-5569-6701
https://www.tptc.co.jp/park/03_09/camp
神奈川県
神奈川県も大きな芝生がある広場が多くありますが、芝生をきれいに管理している公園などでは、芝生を傷めてしまうなどの理由でテント設営が難しくなってきています。
ただ神奈川県では、無料の河川敷などでもテント設営が可能な場所もあるので、試し張りなどでテントを張る場合に利用をおすすめします。
野島公園【神奈川県横浜市】
横浜市の最南部にある平潟湾の入口にあり、潮干狩りや海遊びが楽しめる家族向けの公園です。
公園内にある野島山の展望台に登れば周りの海も一望出来、テントを張る以外でも楽しみ方が沢山あります。
・住所 TEL
神奈川県横浜市金沢区野島町24
TEL 045-787-4173
https://yokohamagrill.com/nozima/park/
長井海の手公園・ソレイユの丘【神奈川県横須賀市】
東京ドーム5.2個分という広大な園内には、ふれあい動物村、体験教室、ゴーカートやアーチェリーなどがあり、小さな子でも飽きずに1日過ごせます。
テントを張れる場所は、キャンプ場になっており、フリーサイト(25区画)、オートサイト
デッキ有り(5区画)、オートサイトデッキ無し(5区画)の予約が必要です。
・住所 TEL
神奈川県横須賀市長井4丁目
TEL 046-857-2500
https://www.seibu-la.co.jp/soleil/camp
埼玉県
埼玉県の公園は、都市公園条例でテントの設営に関する条例を上記で紹介しましたが、調べてみるとテントが張れる公園は、下記に紹介する以外にもまだまだあります。
公園の管理事務所などに連絡すると、丁寧に教えてくれるのでネットなどでテントが張れる公園を検索してみてください。
智光山公園【埼玉県狭山市】
智光山公園内にあるキャンプ場を予約し、テントを張ることが出来ます。
森林で囲まれていて、1区画最大15名まで利用可能のサイトは、広々としており大人数でも利用可能です。
1サイト400円(市外利用者が過半数を占める場合は倍額)という安価な値段で利用出来るのが人気で、なかなか予約が取れないのがネックです。
・住所 TEL
埼玉県狭山市柏原612-1
TEL 04-2953-5301
https://www.parks.or.jp/chikozan/guide/000/000825.html
秋ヶ瀬公園【埼玉県さいたま市】
広大な芝生の広場があり入場無料なので、気軽に行くことが出来ます。
デイキャンプ、バーベキューなどで利用出来るようですが、火気使用の場合は事前に確認しましょう。
・住所 TEL
埼玉県さいたま市桜区道場 4-17
TEL 048-865-7966
http://akigase.jp/bbq
千葉県
千葉県には園内にキャンプ場施設がある公園も多くあり、本格的なキャンプを味わいたい時には有料の高規格キャンプ施設がある公園がおすすめです。
テントの試し張り、テントの乾燥などは無料の公園で、デイキャンプや宿泊するキャンプなどで有料の公園キャンプ場を利用するなど、使い分けるのもよいのではないでしょうか。
野田市スポーツ公園【千葉県野田市】
とても広い芝生の広場があるので、テントの試し張りや、テントの乾燥にも利用出来そうです。
宿泊やバーベキューは禁止になっているので、朝からデイキャンプがおすすめです。
・住所 TEL
千葉県野田市木野崎地先利根川河川敷内外
TEL 04-7123-1195(みどりと水のまちづくり課公園緑地係)
https://www.city.noda.chiba.jp/shisetsu/kouen/1001071.html
坂田ヶ池総合公園【千葉県成田市】
坂田ヶ池総合公園内にあるキャンプ場で、テント設営が可能です。
キャンプ場は、予約制の芝生区画サイトが27サイトあり、場内設備も清潔に管理されていて安心して利用出来ます。
公園はローラー滑り台や水遊びが出来る小川もあり、小さな子供でも遊ぶ場所が沢山あります。
・住所 TEL
千葉県成田市大竹1450
TEL 0476-29-1161
http://www.nrtk.jp/enjoy/attraction/sakatagaike-park.html
公園のテント設営禁止!なぜ?と不満に思うのは勉強不足。
公園は、「①所有者が良いと言ってくれるかどうか」、「②法令によって制限されていないか」、「③他の利用者の迷惑にならないか」の3つのポイントから禁止事項が決められています。
テント設営が公園で禁止されているのは、主に「②法令によって制限されている」、「③他の利用者の迷惑になる」事が当てはまるからです。
テントを張る側としては、「誰にも迷惑かけないし、自己責任で張るから~。」と安易に考えてしまいますが、公園でのテント設営は法令違反にもなってしまうことがあります。
2年前はテント張ってもよかったのに。
なんてこともあるので、公園でテントを設営する場合は、必ず禁止事項を公園の管理事務所などに確認する必要がありそうです。
- 「他の公園利用者へ支障が出ること」が予想されるテント設営は、基本的に禁止事項。
- 公園でテント設営をする場合は、各自治体か公園の管理事務所へ必ず確認。
- 公園でテントが張れる東京、神奈川、埼玉、千葉のおすすめ公園キャンプ場を紹介。