風速7mのキャンプは、テントやタープは壊れる事がある。風が強い日はキャンセルする勇気を

風が強い日にキャンプをする時には、いろいろな危険が伴います。

代表的なところだと

  • テントやタープが倒れる
  • テントやタープのポールが折れる
  • 焚き火の火の粉が飛ぶ

といったことが挙げれらます。

この記事では、どれぐらいの風速だと上のようなリスクを伴ってしまうかについて紹介します。

・風速7m/sではそもそもテントやタープを立てられない。

・テントやタープを立てられて、キャンプ場で楽しく過ごせる風速の目安は3m/s。

・気象予報の風速は10分間の平均の風の強さであり、それよりも強い突風が吹くこともある。

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風速7m/sの強風でテント泊は無謀

 

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キャンプが出来る、出来ないの判断基準として「風速7m/s」を覚えておくとよいでしょう。

小さな子供がいるファミキャンの場合、特に安全に注意したいので、「風速7m/s」を越える風が予想される場合、中止の判断も必要です。

 

そもそも風速7m/sの状態ではテントが建てられない

テントの設営手順として、まずシートを広げ位置を決め、ポールをセットしテントを立ち上げて自立させます。

最初のシートをペグダウンするまでは、シートは常に強風に煽られてしまいます。

またテントを立ち上げる時も、テント内部に風が入れば、テントが風に持っていかれてしまい、最悪テントは飛んでいきます。想像するだけでも強風時のテント設営は困難と言えます。

風上を利用し、上手にテントを設営する手もありますが、無理して立てたテントは強風に耐えられない不格好な物になってしまいがちです。

・風速7m/sでのテント設営は、諦める事も大切。
・無理して設営したテントは、強度も心配。

 

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2ルームテントなど大きければ大きいほど風の影響を受けて厳しい

 

 

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2ルームテントは構造上、①床面がなく、②シート部分の面積が広く、③天井が高く出来ているものが多いです。

この特徴が、強風時にデメリットになってしまいます。

①床面がないテントは、裾部分から風が侵入するため、テントが吹き上げられることも。

(スカート付きテントの場合、スカート部分をペグダウンすることで、風の侵入を最小限に抑えられるが、スカート部分を全てペグダウンする労力が必要。)

②2ルームテントは、側面もドームテントなどに比べるとシート部分の面積が広いため、横風を受けやすくポールが曲がったり、折れてしまう危険性も高くなってしまう。

(2ルームテントでも風を流線型に受け流す事で、風の影響を受けないように設営することも可能だが、一定ではない風向きを考えて設営しなければならず、とても難しい。)

③天井が高い分、重心は高くなり安定性は下がる。

(強風時、タープなどはなるべく低く張り、重心を低くして安定性を上げることが出来るが、2ルームテントの重心は下げられないため安定性は低い。)

・2ルームテントは、裾部分からの風の侵入、横風に弱い、重心が高く安定性が低いなどの理由で、強風時の使用には不向き。

 

体感の風速よりもテントが風の煽りをくらう理由

人が風を感じる「体感」よりも、テントが風の影響を受けるのは理由があります。

テントは性質上、雨や風を通さないように出来ています。

風を通さないと言う事は、テントは風を受けた場合、その風を全面に受け、凧のように空に舞い上がろうとします。

凧が少しの風でも上空まできれいに上がるのは、この風を上手に利用しているからです。

テントも同様に、体感では大丈夫な風速でも、風を全面に受ければ煽られるのは当然です。

体感では大丈夫な風速も、テントは凧と同様、風を受ければ危険と感じるほど煽られる。

 

風速7m/sの強風ではタープもキツイ

テントと同様にタープも風速7m/sでは、設営は厳しいでしょう。

特にタープは床部分がないため、人の体重や荷物の重さが掛からず、テント以上に下からの風で舞い上げられる可能性が高いと言えます。

ヘキサタープのようなオープンタープよりも、スクリーンタープのようなポールを交差して設営するタープの方が風を受けた時に、ポールが歪んだり、破損したりと影響大です。

・床部分がないタープのほうが、テントより風の影響を受けやすい。

風が強い時に、無理にタープを張ると破れることもある

 

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風上を利用し上手にタープを設営することが出来ても、強風時に無理やりタープを張ることでシートに負荷が掛かり破れてしまう事もあります。

風は一定ではないため、予報で風速7m/sと出ていてもキャンプ場では特に、突風が吹くこともあります。

キャンプ場によっては、風が吹き抜ける位置であったり、山の斜面の場所もあるので、風速予報だけで、「大丈夫」と思わないようにしましょう。

・タープを張れても、強風でタープが破れる危険性もある。

 

風が強いとポールが折れる事もある

高価なキャンプギアでも、強い風を受けた場合ポールが折れてしまう事もあります。

強風を受けてポールが折れることもありますが、強風で無理やり設営する時にポールに余計な力が加わり、意外と簡単にポールが折れてしまいます。

1本のポールが重要な意味を持つタープでは、1本折れてしまえば設営は不可能です。

・タープポールは頑丈そうに見えても、強風時の設営では無理な力が加わるので、意外と簡単に折れてしまう事も。

 

風速の体感目安

ここでは、風速と体感の目安について紹介します。

風速(m/s)目検の目安体感
0.0m~1.5m草木は動かず、タオルなどの洗濯物などもほとんど動きません風はほとんど感じない
1.5m~3.0m草木が多少揺れ、洗濯物も少し揺れるそよ風程度
3.0m~5.0m草木が揺れ、小枝も絶えず揺れる

洗濯物も洗濯ばさみで留めないと飛ばされる

強めのそよ風程度
5.0m~7.0m小枝が揺れ、葉っぱも落ちることもある

旗がパタパタと音を立て揺れる

風が少し強いと感じる
7.0m~木は音を立ててバサバサと揺れる

自転車に乗ると前からの風で前に進みづらい程

風が強く、風が気になる
10.0m~傘をさすと裏返ってしまう程風が非常に強く危険を感じる

風速7m/sというと木が大きく揺れて、普通に立っていても、なかなかしんどい風の強さです。

人間が心地良いなと感じる風速は、1.5m〜3.0mぐらいですので、それを超えてくると、「今日は風が強いなぁ」と感じる日になります。

風速3m/sぐらいですと、空の紙皿は飛んでいきますし、5m/sにもなると焚き火の火の粉が大きく飛び、火もかなり強くなります。

 

風速○m/sはあくまで平均

冒頭でも触れましたが、気象予報で言われる風速○m/sというのは、10分間の平均の風の強さです。

平均ですので、その値よりも強い風が吹く時もあります。

一瞬でも強い風が吹けば、テントやタープは人が感じるよりも大きな力が加わりますので、飛んでいきます。

また強い風は予兆もなく、いきなり吹きますので、用心することは難しいという認識を持っていると良いです。

 

急な風にもテントが耐えられる4つのポイント

キャンプ場では、「突風」に注意が必要です。

昼間はなんともなかったのに、夕方~夜中に風が強くなる事が多くあります。

この時、設営が不十分なテントは、歪み、揺れによりテント崩壊という恐怖心と一緒に一晩過ごさなければなりません。

ここでは、急な風にも耐えられるテント設営のポイントを紹介していきます。

①全てのガイラインをしっかり張ってテントを固定

 

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テントのしわを無くすためガイラインをしっかりと張りますが、しっかりと張られたテントは、見た目が美しいだけでなく強度もあります。

ガイラインをしっかりと張ることで、風でシートが膨らまず風を跳ね返してくれるので、シートに負荷が掛かりづらくなります。

風でシートが膨らんでしまうと、ヨットの膨らんだ帆が風を受けるように、テントが風の影響を受けてしまいます。

・ガイラインがしっかりと張られたテントは、見た目、強度共に優秀。

 

②長めの鍛造ペグでガイラインロープを固定

ペグには、様々な種類があります。

その中でも風が強い場合、「鍛造ペグ」がおすすめです。

風の影響を受けるシートを抑えている根元は、「ペグ」です。

鍛造ペグを硬い地面にしっかりと打ち込む事で、強風や突風でも安心して過ごせるテント設営が出来ます。

・強風のキャンプは、鍛造ペグを硬い地面にしっかりと打ち込むことが大事。

 

③ストレッチコードで風を吸収

ストレッチコードは、伸び縮みする事で、強い風が吹いた時にシートやペグに掛かる負担を軽減してくれます。

また強風時のキャンプは、ガイラインロープがゆるんでくる事が多く、その度にロープのゆるみを直さなければなりません。

ストレッチコードを使用すると、ガイラインロープのゆるみも軽減出来、ピンと張られたシートの見た目も保てます。

・ストレッチコードの伸縮で、風の影響を最小限に。

 

④テントの入口を風上に向けない

キャンプでは、強風でなくても、「風」の影響をいつも意識しておくことが必要です。

サイトレイアウトを行う時、ファミキャンとして意識したいのは、

①なるべく平らで地面がデコボコしていない場所の確保

②テントの出入り口への導線を考えて、サイトレイアウトを作る

③子供の動きを考えて張り綱を張る(入り組んだ張り綱は、子供が引っ掛かる)

です。

この内、強風対策として最も重要な事は、テントの入口を風下にすることで、風の吹き込みを最小限に抑えましょう。

入口を風上に向けてしまうと、テント内部に風が入り、テントが破損することも考えられます。

・強風時のサイトレイアウトは、テント入口を風下に向けることが基本。

 

風速7m以下のキャンプでも気をつけた方がいいポイント

風が強い時のキャンプで、テントやタープが倒れてしまう、壊れてしまうという危険性について紹介しましたが、風がある時のキャンプでは以下について注意した方が良いでしょう。

焚き火の火の粉が飛び、テントやタープに穴が開く

風速3m/sぐらいにもなると、焚き火の火の粉が大きく飛びます。

たまに、薪に水分が残っていて、パチンとはぜることがありますが、それよりも大きく火の粉が飛び、タープの天井にまで届くぐらいの高さまで飛びます。

また火の粉が風に乗っていき、区画サイト全体にまで飛ぶぐらいのこともありますので、風速5m/sの時は、焚き火はやらない方がベターですし、やる場合にも小さな火にするなど対策が必要です。

風速が3m/sを超えた時で焚き火をする時に気を付けるポイント、対策についてはこちらの記事にまとめていますので、こちらも参考にしてください。

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イスが倒れたり、食器も飛び、食事がままならない

風速3m/s〜5m/sぐらいですと、空の食器は転がっていってしまいます。

空の紙皿ですと、あっという間に飛んでいってしまいます。

また軽いイスも座っていないと、頻繁に倒れたり、転がったりとすることがありますので、出来る限り椅子には座っていましょう。

 

気象予報の温度よりも寒く感じる

風が強い時には、思っていたよりも寒く感じるということがあります。

特に、夏や秋のキャンプで風が強い日は、日中との寒暖差が大きく、防寒対策用に上着をもって来なかったとなると、夜の急な冷え込みに耐えられないということがあります。

 

ちなみに、天気予報のアプリやスマートウォッチ等に表示される気温はあくまで天気予報等の気温を表示しているだけです。

スマホやスマートウォッチに気温計はついていませんので、キャンプ場の気温を表示してくれるわけではありません。

アプリ等では高い気温を表示していても、自分自身の体で感じる寒さが正しい気温です。

 

風速の強い時は無理をしない、まずは身の安全が第一

キャンプでは、「風」の影響を考えるのは、鉄則と思いましょう。

強風時、テント破損だけでなく、テントやタープが吹き飛ばされてしまっては、他のキャンパーさんにも迷惑が掛かります。

風で吹き飛ばされた大きなテントやタープが、他の家族の小さな子供に当たれば、大変な事態です。

言い換えれば、強風時は我が家のテント設営が完璧でも、危険が隣り合わせと言う事です。

  • 風速7m/sで、キャンプをやる、やらないの判断を。
  • 強風時のテント設営は、「鍛造ペグ」、「ストレッチコード」、「テント入口を風下に」がポイント。
  • 強風時のキャンプは、キャンプギアの破損だけでなく、テントなどが吹き飛ばされることによるケガなどの危険性もアップ。
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