総スカンの語源は、関西弁で好きじゃないという意味の「好かん」です。
「好かん」に「全て」という意味を持つ「総」がくっついて出来た言葉で、1930年代から関西圏で使われるようになり、瞬く間に全国に広まりました。
総スカンの語源は関西弁の「好かん」
総スカンという言葉は関西弁で好きじゃないという意味の「好かん」が由来とされています。
「総」はすべてを意味し、「スカン」は関西弁で「好かない」を「好かん」ということから、「総スカン」になり、みんなから好かれていない状態を表します。
比較的新しい言葉であり、1930年代より関西で使われ始めました。
1933年に発行された〈内田魯庵〉銀座繁昌記に
という記載があったことから、早くして全国的に広まったと言えます。
総スカンを食う。なぜ「食う」なのか?
総スカンを「食う」の方が「受ける」などの他の動詞よりも適切な表現だとされているからです。
「総スカンを食う・食らう」と表記されることが多いですが、この「食う」には迷惑をこうむるという意味を持ちます。
ほかにも「巻き添えを食う・食らう」や「大目玉を食う・食らう」とかの用法で、不本意な目に合うときに使われ、マンガやゲームでも聞き馴染みのある「攻撃を食らう」「食らえ!」という言葉にするとわかりやすいですね。
一方、他の動詞で、例えば「受ける」は影響や迷惑のほかにも、敬礼や感謝などいい意味でも使用されます。
したがって、「総スカン」は「嫌われる・孤立する」という好ましくない状況から「食う・食らう」の方が適切だとされ、「総スカンを食う・食らう」の表記が多いとされています。
あの言葉の由来も関西弁から?
ネット界隈や若者の間で繰り広げられるSNSで使われている「ワロタ」「ゆうて」「それな」も関西弁が由来とされています。
ワロタ
「ワロタ」→「笑う」を関西弁では「わろうた」と言うため、そこから「ワロタ」に転じました。
主にSNSでは「ワロタww」と「w」とセットで表記されることが多いです。
ゆうて
「ゆうて」→「そうは言っても」の関西弁から派生した言葉で、「テスト勉強してない。」「ゆうて、まだ1日あるから余裕で勉強できる。」などの会話がlineなどで繰り広げられます。
それな
「それな」→会話で共感や同意を示すときに使われ、「そうだね」の変化形です。
会話の切り出しで、関東では「それでね、学校でね」が関西では、「それでな、学校でな」となるため、「それそれ」も若者特有である言葉を略するところから、関西で「それな」に転じたとされています。
関西言葉が全国に普及していった理由としては、SNSの普及が考えられます。
話し言葉としては、アクセントが異なるため抵抗する人も少なからずいましたが、メールやTwitterなどでは入力をするため、抵抗なく誰でも使えてしまいます。
さらにSNSは幅広い地域での交流も可能なので、関西で生まれた言葉が若者の間で瞬く間に拡散したとも考えられます。
現代では、すさまじい数の言葉が若者の間で生まれ、拡散されていきますから、今まで使われていた言葉もすさまじいスピードで死後になりつつあります。