かったるいの語源は平安時代に二の腕が疲れた意味の「かひなゆだし」

かったるいの語源は、平安時代に力仕事をした後に二の腕がだるく感じることを「かひなだるし」と言っていた事に由来します。

二の腕がだるく疲れて感じる事を意味していた「かったるい」がどんな変遷を経て、現代の「めんどくさい」に変わっていったかを紹介します。

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かったるいの語源は「かひなだゆし」

かったるいの語源は、平安時代に使用されていた「かひなだゆし」という言葉です。

「かひなだゆし」が段々と略されて「かひだるし」となり、それがさらに変化して「かひだるい」、「かったるい」と徐々に形を変えていきました。

 

かいなとは二の腕

かったるいの語源である「かひなだゆし」の「かひな」は二の腕を指す言葉でした。

重い荷物を運んだり、力仕事をした後に二の腕がだるく感じることを「かひなだるし」と表現していました。

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二の腕とは上腕三頭筋

二の腕とは、正確には上腕三頭筋のことを指します。

上腕三頭筋は二の腕に力を入れたときにできる力こぶの裏に位置している筋肉のことです。腕の筋肉の中で一番体積の大きい筋肉のため、物を持ち上げたり押したりする際に重要な働きをします。

日常生活をする上でも、肘関節の伸展動作をする際に大きく貢献している筋肉です。

そのため、「かったるい」で表されていた二の腕の部分は、上腕三頭筋だと考えられます。

 

現在二の腕と呼ばれているところは昔は一の腕

現在、二の腕と呼ばれている部位は、昔は一の腕と呼ばれていました。

1603年に出版された『日葡辞書』という辞書には、一の腕は「肩から肘までの腕」という記載がされていました。

二の腕が一の腕と呼ばれていた時代には、「肘と手首の間」の部位が二の腕とされていました。

しかしいつしか、一の腕という言葉はなくなり、一の腕と呼ばれていた部分は二の腕として認識されるようになっていきました。

 

かったるいの意味が変わっていった理由

かったるいは現代では、「疲れて体がだるい」や「気分が乗らない」、「もどかしい」、「物足りない」など様々な意味があります。

しかし、元々「二の腕が痛い」という意味しかなかったかったるいはなぜここまで意味の幅が広がっていったのでしょうか。

「体が疲れてだるい」から「もどかしい」へ変わった理由

「体が疲れてだるい」から「もどかしい」へ変わった理由は不満のある様です。

かったるいは二の腕や体が疲れて気だるく、不満のこもった言葉として使われていました。

不満があり、物足りない様子から、「役に立たない」、「もどかしい」という意味合いに変化していきました。

 

「もどかしい」「物足りない」から現代の意味の「面倒臭い」に変わった理由

「もどかしい」「物足りない」から「面倒臭い」に変わった理由は気が乗らない様です。

役不足で物足りなかったり、もどかしい状態は、気分が乗らない状態でもありました。

そのため、何か物事をする際に「面倒くさい」とか「鬱陶しい」と感じる際にもかったるいが使われるようになりました。

 

関東では「かったるい」、関西では「しんどい」その違い

関東では「かったるい」、関西では「しんどい」と言う違いは方言の違いです。

関東地方、特に北関東では「かったるい」という言葉がよく使われ、古くから馴染みのある言葉です。

そのため若者のみではなく、年配の方でも「かったるい」をよく使います。

しかし、関西地方ではかったるいという言葉は使われず、代わりに「しんどい」と表現します。

関東で言う「かったるい」と関西の「しんどい」は意味合い的には同じです。

 

かったるいは英語でdull

かったるいを英語で表現するときは「dull」を用います。

「dull」は感覚が鈍い様やどんよりとした様を表す際に使われる形容詞です。

そのため、「だるい」という感情表現をする際にも使うことができます。

例えば、「なんかかったるいな」と英語で表現したい時には、「I’m feeling dull.」と言えば伝わります。

ちなみに「dull」は、日本語の「だるい」と発音が似ていますが、語源が同じというわけではなく、たまたま同じような発音になったようです。

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