すごろくの語源は中国のゲーム雙陸が朝鮮で雙六になり双六に転じた

すごろくの語源は中国で雙陸・雙六(そうりく)と呼ばれていたゲームです。

中国の雙陸・雙六(そうりく)が朝鮮半島に渡り、日本に伝わる中で、漢字は双六となり「すごろく」と読まれるようになりました。

また現代とは違い、江戸時代には盤双六と絵双六と2種類の双六があり、現在よく目にする双六は絵双六です。

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すごろくの語源は「雙陸・雙六(そうりく・そうろく)」が転じたもの

すごろくというゲームのルーツは中国の「雙陸・雙六(そうりく)」であり、すごろくの語源もその語です。

中国のすごろく「雙陸・雙六(そうりく)」という遊戯が伝わった際に、日本では「すぐろく」と呼ばれ、そこから転じて「すごろく」となりました。

他にも諸説はありますが、こちらが代表的な説とされています。

 

双六と書いてすごろくと読む理由

「双六」と書いて「すごろく」と読むのは、朝鮮語による「双六(雙六)」の字音による由来だったとされています。

「双六(雙六)」という言葉は、実は朝鮮半島を経由して伝来したため、もともと中国では「雙陸」だったのが、朝鮮半島では「雙六」という表記に変わり、日本には「雙六」として伝来しました。

朝鮮語における、「雙六」は「쌍륙」と表記され、読み方は「ssaŋ ryuk:ッサン(グ)リュッ(ク)」と何やら発音しづらいのですが、これを一語に分解すると、

ssa「ッサ」→「ス」
ŋ「ン(グ)」→「グ」
ryu「リュ」→「ロ」
k「(ク)」→「ク」

このように転じて聞き取り、「双六(雙六)」は「スグロク」という風に呼ばれ、のちに「すごろく」に転じていきました。

「雙・双」を「すぐ」という異例な読み方をするのは、こういった経緯があるからです。

 

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「すごろく」には2種類ある

「すごろく」と呼ばれるゲームは江戸時代には2種類あり、それぞれルールや遊び方が違う遊戯でした。

盤双六

サイコロを振って、双方15個の石を全てゴールさせることができるかで勝敗を競う遊戯です。

元々中国で雙陸・雙六(そうりく)と呼ばれていたゲームの流れを汲んでいるのは、この盤双六です。

二人で行う対面式ボードゲームの形式です。

盤双六は賭博遊戯であるため、平安時代より禁止令が出されていました。

絵双六

現在と同様でサイコロを振って駒を進める複数で行うゲームです。ほぼ現代のすごろくと同じです。

前述の盤双六は取り締まりの対象でしたが、江戸時代に「絵双六」が登場したがために、盤双六の取り締まりに混乱が生じたと言われています。

 

盤双六が廃れて絵双六が残った理由

盤双六が廃れた理由はバックギャモン

盤双六の廃れた理由は諸説がありますが、江戸時代の「バックギャモン」の渡来説が有力とされています。

「盤双六」は、サイコロの偶然性から賭博遊戯として扱われていたため、禁止令が出ていましたが、隠れて行う者もいましたので、江戸時代中期まではまだまだ人気の遊戯でした。

しかし、西洋版の「盤双六」である「バックギャモン」が黒船で伝来し、文明開化に伴って、民衆は西洋文化に憧れを抱き、「盤双六」のかわりに「バックギャモン」をたしなんでいくようになりました。

そして「バックギャモン」は若干「盤双六」とルールが違い、「バックギャモン」の方が早く勝敗が決まるため、民衆は「バックギャモン」に魅了され、それと引き換えに「盤双六」は風化していきました。

したがって「盤双六」の廃れた理由は、「バックギャモン」の登場によるものだとされています。

 

絵双六が今でも残っている理由

一方、「絵双六」は江戸時代に登場し、ルールもサイコロを振って駒を進めるだけの簡単なルールであることから、庶民の娯楽として普及していきました。

「絵双六」は家族や複数人で楽しめることから、人気さ故に、「出世双六」や「旅双六」など多様化していきます。

近年では「双六」は「人生ゲーム」「桃太郎電鉄」など、ボードゲームやテレビゲームにまで時代に応じて進化していきます。

したがって「絵双六」は、誰でも複数人でも簡単に遊べるうえに、「双六」の原型を残しつつ、時代に沿って、多様化しているので、今でも国民に愛されるゲームとなっています。

 

すごろくで使われる言葉の語源

振り出し

「ふりだし」の語源は、双六のスタート地点でサイコロを振り出すということからとされています。

マス目を進めていった先に「ふりだしに戻る」指示があると、スタートに戻ることになってしまうことから、「今までの過程・努力が水の泡になる」「元に戻る」意味で使われるようになりました。

 

一見「ふりだしに戻る」は、ネガティブのように思えますが、初心に戻って見直すというポジティブな意味も込められます。

 

あがり

「あがり」は、花柳界用語の「上がり花(あがりばな)」を略した言葉です。

「上がり花」とは入れたて煎茶のことを指し、最後にお客に差し出すお茶のことで、そこから略され「あがり」=「終わり」という表現になっていきました。

 

ちなみに最初に出すお茶を「お出花(おでばな)」といいますが、「お出花」も「あがり」もお店側が使う言葉とされていますので、お客側は使用しません。

 

ゾロ目

サイコロを二つ以上投げたときに、すべての目が出揃うことから、揃い目→そろ目→ゾロ目となりました。

江戸時代に博打打ちの間でできた言葉ですが、「そろめ」だと響きが弱いため「ぞろめ」と濁らし、博打の隠語として使われていました。

時代劇によくある丁半サイコロで、1の目が二つ出たことを「ピンゾロの丁!」と声を上げますが、確かに「ピンソロの丁!」では何か感じが違ってきますね。

現在では、サイコロだけでなく、カレンダーや時刻など同じ数字が並んだ表記であれば、「ゾロ目」として扱われています。

 

令和版「人生ゲーム」は、時代のトレンドを反映している

現代の双六の代表格ともいえる「人生ゲーム」ですが、令和版は今までにないルールが起用されています。

人生ゲームといえば、通常の双六とは違い、早くゴールした者勝ちではなく、各個人の資産合計で勝敗が決まります。

この時点でも既に革新的でしたが、令和版はさらに革新的なルールが起用されており、以下のような違いが挙げられます。

  • 今までとの最大の違いは、最終的に獲得したフォロワーの人数で勝敗が決まる。
  • マス目には「+100万人」「-100万人」とフォロワーの単位で記載される。
  • 紙幣や職業カードがなくなり、代わりにアイテムカードというものを集める。
  • 盤上にコースやゴールの設置もなくなり、全プレイヤーで合計10枚の「インフルエンサーカード」が場に出された時点でゴールとなる。
  • 自分用の駒のほかに、フォロワーの駒も追加され、獲得したらその都度繋げていかなければならない。
  • SNSに基づいたエリアが設置され、「#つぶやき」「#フォトジェニック」「#ムービー配信」「#マニアック」の4つのエリアに分かれ、好きなエリアからスタートができる。

 

など、まさに現代のトレンドに合わせた「令和の人生ゲーム」となっており、ルールも今までのものとは全く違うので、新鮮さもあるうえに、インフルエンサー気分も味わえます。

 

「双六」はやはり時代に応じて、進化していきますので、現在でも国民に愛される魅力満載なゲームですね。

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