自転車の「ギー!」というブレーキ音はとても不快ですよね。
車を運転できない子供にとって、自転車は必需品です。
子供から「自転車のブレーキの音が変なんだ。」と言われたら、まずは自分で何とかしたいと思うパパやママも多いのではないでしょうか?
でも、自転車のブレーキの音がしても、どこをどう直せばいいのか分かりませんよね。
ここでは、自転車のブレーキの音が鳴る原因やブレーキの構造、ブレーキの音鳴りの直し方についてお伝えしていきます。
自転車のブレーキの音が気になる!どうして鳴るの?
自転車に乗っていると「ギー!」や「シャー」という音が鳴ることがあると思います。
あまりに音が鳴ると不快ですし、周りの人にも注目されて恥ずかしいですよね。
まずは、自転車からなぜ音が鳴るのか知っておくことが大切です。
音の種類と原因
自転車からどんな音が鳴っていますか?
音の種類によって原因は違ってきますので、まず自転車から出る音をしっかりと聞いてみましょう。
止まる時に鳴る「ギー!」という音→ブレーキが原因
自転車が止まる時に「ギー!」という音が鳴る場合があります。
これは自転車を止めるためにかけたブレーキによる音です。
自転車が止まる時に音が鳴る場合は、ブレーキに何らかの原因があると考えられます。
ライトをつけて走行中の「シャー」という音→チェーンが原因
普段は音が気にならなくても、ライトをつけて自転車で走っていると「シャー」という音が鳴る場合があります。
ライトをつけて走行中に音が鳴る場合は、チェーンに原因があると考えられます。
チェーンが劣化しているか、汚れていることが多いです。
ブレーキの構造を理解するとお手入れできる
自転車のブレーキによる音鳴りを直そうと思うのなら、まずはブレーキの構造を理解しておかなければいけません。
安全に自転車に乗るためにも、お手入れの前にブレーキの構造を知っておきましょう!
ブレーキの種類
自転車のブレーキは、実はたくさんの種類があるのをご存知でしょうか?
自転車のブレーキは大きく分けて、リムブレーキとハブブレーキの2種類があります。
リムブレーキはタイヤとホイールをくっつけているリムという部分に、シューという部品を押し当てることで摩擦によってタイヤの回転を止める方法です。
リムブレーキにもいろいろな種類があり、キャリパーブレーキやVブレーキ、カンチブレーキなどがあります。
引用:https://ja.wikipedia.org/
もう一つの種類であるハブブレーキは、ホイールの軸であるハブに組み込んであるブレーキのことです。
ハブブレーキにもいろいろな種類があり、ローラーブレーキ、バンドブレーキ、サーボブレーキなどがあります。
前輪と後輪の違い
一般的な自転車は右ブレーキレバーが前輪ブレーキ、左ブレーキレバーが後輪ブレーキになります。
自転車の前輪ブレーキは止まるため、後輪ブレーキは速度を落とすためのブレーキだと言われています。
いわゆるママチャリや子供用自転車は、前輪がリムブレーキの一種であるキャリパーブレーキで、後輪はハブブレーキの一種であるバンドブレーキが使われていることが多いです。
前輪、後輪でブレーキの種類が違うことを知っておきましょう。
自転車のブレーキの音鳴りは直せる?
自転車のブレーキの音鳴りは、タイヤの回転を止めるために使ってあるシューが原因であることが多いです。
長年使うことで、タイヤのリムやシューが汚れていたり、シューが劣化していたりすることで、ブレーキをかけると音が鳴ってしまうのです。
つまり、リムやシューの汚れを取ったり、シューを交換したりすれば、自転車のブレーキの音鳴りは直せます。
前輪後輪どちらから鳴っているか確認しよう
まずは、前輪後輪どちらから音鳴りしているか確認することが大切です。
左右片方ずつブレーキをかけることで、前輪後輪どちらに問題があるか分かります。
確認方法
前輪後輪どちらのブレーキが原因なのかを確認するために、実際に自転車を走らせてブレーキをかけてみましょう。
なるべくなら安全な広い場所で、左右片方ずつブレーキをかけてみるといいですね。
日本の自転車は右ブレーキレバーが前輪ブレーキ、左ブレーキレバーが後輪ブレーキです。
ブレーキをかけて音鳴りしたほうが、不具合のあるブレーキだと分かります。
前輪からブレーキの音がする場合
ママチャリや子供用自転車は、前輪がリムブレーキの一種であるキャリパーブレーキです。
キャリパーブレーキはアーチに取り付けられた一対のシューで、タイヤのリムを挟むことでタイヤの回転を止めます。
そのため長年、自転車を使っているとこのシューとリムの摩擦で汚れがついたり、シューが劣化してしまったりすることがあります。
音がなるタイヤのリムやシューが汚れている時
https://www.youtube.com/watch?v=NQ431qGsAzg
自転車のブレーキをかける度にタイヤのリムとシューが摩擦を起こすため、だんだん汚れてきます。
タイヤのリムやシューの汚れによって、自転車のブレーキが音鳴りすることがあります。
リムやシューに汚れがあれば、台所用洗剤などで磨きましょう。
ブレーキのききが悪くなるおそれがありますので、汚れ落としに使う洗剤は油分が含まれないものにして下さいね。
シューがすり減っている時
シューがすり減っている時も、自転車のブレーキが音鳴りすることがあります。
摩擦によって、シューの表面がすり減って平らになります。
シューの表面がツルツルなため、タイヤをしっかり止めることができず音鳴りをしてしまうんです。
サンドペーパーなどで表面をザラザラにすれば、自転車のブレーキの音鳴りを止めることができます。
シューの角度が歪んでいる時
自転車で転んだり、段差を走ったりしているうちに、シューの角度が歪んでしまう場合があります。
シューの角度が歪むことでも、自転車のブレーキが音鳴りすることがあります。
ペンチを使ってシューの角度を調整しましょう。
前側を狭く、後ろ側を広くハの字形にするのがポイントです。
角度を間違えるとブレーキが効かなくなる場合があるので、慎重に調整してくださいね。
後輪からブレーキの音がする場合
自転車の後輪は前輪と違って、パッと見て音鳴りの原因であるシューが確認できないと思います。
後輪のブレーキは主に3種類がありますが、ブレーキの種類によって音がする原因は違ってきます。
ブレーキの種類は3種類
後輪のブレーキにもいろいろな種類があります。
その中でも、自転車に多く使われている3種類についてみていきましょう。
ローラーブレーキの場合
ローラーブレーキはホイールの軸に付けた円筒形のドラムと、中心部にあるローラーによって押し上げられたシューとの摩擦によってブレーキをかけます。
ローラーブレーキは音鳴りがしにくいブレーキではありますが、長い間使っていると「カサカサ」や「ギーギー」音鳴りすることがあります。
これは、グリスが不足しているためです。
ローラーブレーキのグリス注入口から、ローラーブレーキ用専用グリスを適量注入しましょう。
グリスが馴染んできたら、ブレーキの音鳴りもおさまると思います。
バンドブレーキの場合
バンドブレーキはホイールの軸に付けた円筒形のドラムの周りをバンドで囲っており、バンドがドラムを締めつけることでブレーキをかけます。
ママチャリや子供用ブレーキの後輪は、バンドブレーキであることが多いです。
このバンドブレーキですが、裏面が覆い隠されていないため雨や汚れなどの影響を受けやすく、音鳴りがしやすいブレーキだと言われています。
そのため長年、自転車を使っているとバンドに汚れがたまったり劣化したりしてきます。
それによって、ブレーキをかけると音鳴りがしてしまうんです。
特にバンドの汚れによって音鳴りしやすいです。
クレンザーなどの研磨剤を針金などの細い棒に、ご飯粒の半分くらいを付けドラムとバンドの間に付けます。
タイヤを回しブレーキをかけてみましょう。
研磨剤によって汚れが取れ、ブレーキの音鳴りをを鎮めることができます。
研磨剤を付けすぎると、ブレーキが効かなくなる場合もあるので注意してください。
サーボブレーキの場合
引用:https://murakumo25.com/servo-brake/31845
サーボブレーキはホイールの軸に付けた円筒形のドラムを、内側からシューで広げて押さえることでブレーキをかけます。
自動車でも採用されているブレーキシステムです。
サーボブレーキも音鳴りすることはほとんどありません。
しかし、ハブ内のグリスが流れ出してしまうと音鳴りがする場合があります。
交換が必要になるので、サーボブレーキで音鳴りがし始めたら、自転車屋さんで修理してもらいましょう。
自分でなおす場合の注意点
自転車のブレーキの音鳴りを自分で直すことは可能です。
ですが、安全に関わる自転車のブレーキをいじるということなので、しっかりブレーキの構造を理解して、慎重に行うことが必要です。
汚れてもOKな服装で
自転車には泥やほこり、排気ガスなどたくさんの汚れがついています。
また、金属部分には滑りをよくするため油がついていて、手や服が汚れやすいです。
自転車の音鳴りを直すときは、汚れてもOKな服装で軍手などをはめて行いましょう。
油をさすときの注意点
自転車が「ギー!」と音鳴りしたら、油をさすといいと考える人も多いと思います。
確かに、場所によっては油をさすことで動きがなめらかになったり、音がしなくなったりする場合もあります。
ですが、自転車は油がつくとダメな場所もあります。
タイヤやシューなどゴムの部分に油がつくと、ブレーキが効かなくなったり滑ったりすることがあります。
くれぐれも、自転車の構造を理解した上で油をさすようにしましょう。
自己責任でなおす危険性
自転車に不備があると命にかかわります。
自転車屋さんのようなプロでない場合、自転車修理に必要な知識や経験が足りていません。
そのため、自転車のブレーキの音鳴りを自分で直すことは、リスクがあることも知っておきましょう。
自信がない場合は、自転車屋さんにまかせることも大事です。
新品で鳴る場合は馴染むまで様子を見る
新品の自転車のブレーキでも音鳴りする場合があります。
新品のシューが馴染んでいないため、音鳴りがすることがあるようです。
新品の自転車のブレーキが音鳴りする場合は、シューがある程度馴染むまで様子を見ましょう。
自転車屋さんにおまかせする場合
自転車を自分で修理するのが心配なあなたは、自転車屋さんにおまかせするのが一番です。
自転車のブレーキの音鳴りを修理するには、どれくらいの修理代がかかるのか見ていきましょう。
修理代の相場
自転車のブレーキの音鳴りは、シューが原因のことが多いですがそれ以外の箇所が原因の場合もあります。
一般的なママチャリや子供用自転車のブレーキの修理代をみていきましょう。
工賃と部品代を合わせた価格になります。
[surfing_su_note_ex]・ブレーキ調整 400円~500円
・ブレーキワイヤー交換 900円~1100円
・ブレーキシュー交換 1000円~1500円
・後ろブレーキ交換 4500円~5000円[/surfing_su_note_ex]
お店や使用する部品、自転車の状態によって修理代は変わります。
安い自転車なら買い替えも検討
あまりに自転車の状態が悪い場合は、修理代も高額になります。
安い自転車なら、買い替えを検討したほうがいいかもしれません。
買い替えの場合はブレーキの種類もチェック
自転車をせっかく買い替えるのなら、次は長く使いたいですよね。
自転車を買い替える場合は、ブレーキの種類もチェックしましょう!
一般的なママチャリや子供用自転車の後輪は、バンドブレーキのものが多いです。
ですが、バンドブレーキは雨が入りやすく劣化しやすいので、音鳴りがしやすくなります。
自転車のブレーキの音鳴りが嫌なのなら、ローラーブレーキやサーボブレーキの自転車を選ぶといいです。
ブレーキの音だけじゃない!自転車の基本のメンテナンスは?
ブレーキの音だけではなく、自転車の他の箇所に不備が出る場合もあります。
自転車に不備があると命にもかかわるため、日頃からメンテナンスをしておくことをおすすめします。
ブレーキが効きづらくなった時のメンテナンス
自転車のブレーキが効かないと命にもかかわります。
自転車のブレーキが効きづらくなったらメンテナンスをしましょう。
まず、ブレーキレバーを引いて動く金属の接続部分に油をさして、ブレーキレバーの動きをスムーズにします。
また、ブレーキワイヤーが伸びてしまってブレーキが効きづらくなる場合があるので、ブレーキワイヤーを調節することも大切です。
自転車のブレーキにはワイヤー調整機がついています。
ワイヤー調整機のナットを回して、ブレーキワイヤーの長さを調整しましょう。
また、リムやシューに汚れがついてないか確認して、汚れている場合は食器洗剤などで汚れを落としてください。
ブレーキの効きがより悪くなってしまうので、リムやシューを掃除する時は油分の含まれていない洗剤を使ってくださいね。
それでも自転車のブレーキが効きづらい場合は、安全のためにも自転車屋さんに持っていって修理してもらって下さいね。
チェーンのメンテナンス
チェーンの動きが悪くなると、自転車もスムーズに走りません。
日頃から自転車のチェーンのメンテナンスをするようにしましょう。
チェーンのメンテナンスでチェックするポイントは、汚れとチェーンのたるみです。
汚れやサビがついていると、音鳴りがしたりペダルが重くなったりするため、定期的に掃除してあげる必要があります。
まず、チェーンが汚れたりサビついたりしている場合は、チェーンクリーナを吹き付けてしばらく待ちます。
ワイヤーブラシでこすって、汚れやサビを落としましょう。
また、チェーンオイルをつけることで、チェーンの動きをスムーズにしたり、サビにくくしたりすることができます。
チェーンオイルを自転車のチェーンにつけて、いらない油をウエスで拭きとりましょう。
そして、チェーンのたるみもチェックしましょう。
まず、後輪にあるタイヤを止めているナットとブレーキねじをゆるめます。
チェーン調節のナットを締めて調節してください。
ちょうどいいチェーンの張り具合は、上下1センチ程度持ち上がるくらいです。
自転車の保管方法
あなたは自転車をどこに保管していますか?
自転車は屋内で保管するのが一番いいです。
屋内での保管が無理な場合は、自転車にカバーをかけましょう。
自転車は金属を使っているので、どうしても雨などの水分でさびやすくなります。
また、直射日光が当たることハンドルやサドルなどが劣化しやすいです。
我が家にある子供用自転車も、日光によってハンドルがベタベタになってしまったことがあります。
自転車を長持ちさせたいのなら、雨や直射日光が当たらない状態にして保管するようにしてくださいね。
まとめ
自転車のブレーキが音鳴りの原因が分かっていただけたでしょうか?
自転車のブレーキの音鳴りを直すためには、まずブレーキの構造をよく知っておくことが大切です。
前輪のブレーキから音鳴りがする場合は、リムやシューを掃除したり、シューを削ったり角度を変えたりすることで解消することができます。
後輪は自転車によってブレーキの種類によって直し方が違います。
どちらにしても自転車のブレーキは命にかかわるものなので、自分で修理するのが不安な場合は自転車屋さんで修理してもらうようにしましょう。