ごぼう抜きの語源・由来は、ごぼうを畑から抜くのがすごく大変だからです。
ごぼう抜きの意味と語源の関係を、実際のごぼう抜きの動画も交えて紹介します。
ちなみに、ごぼう抜きというと、マラソンや徒競走でスルスルッと抜き去ることをイメージしますが、実際のごぼうは、そんなスルスルッとは抜けません。
ごぼう抜きの語源・由来は、ごぼうの抜き方
ごぼう抜きの語源には、2つの説があります。
1つ目は、ごぼうがまっすぐ長く伸びていて、簡単に抜くことが出来る様子から「ごぼう抜き」と言うようになった説です。
2つ目は、ごぼうは抜きにくいため、抜きにくいものを一気にまとめて抜くという意味から「ごぼう抜き」になった説です。
説によって、ごぼうが抜きやすい、抜きにくいと分かれていますが、実際のごぼうは、小さい根がたくさんあるため、引き抜くのに時間がかかります。
そのため、説としては2つ目の「ごぼうは抜きにくいため、抜きにくいものを一気にまとめて抜くという意味から「ごぼう抜き」になった説」が有力とされています。
簡単には抜けない!本物のごぼうの抜き方
ごぼうの抜き方は以下の通りです。
- 周りの土を軽く除ける
- ごぼうの根元にスコップを垂直に深く入れる
- 土と一緒にごぼうをスコップですくい上げる
「ごぼう抜き」の使われ方は変化している
元々は江戸時代中期に栄えた「浄瑠璃」と呼ばれる語り物音曲で、抜きにくいごぼうを一気に引き抜く様子を表現して「ごぼう抜き」を使っていました。
一般的にはマラソン等で一気に抜き去る
現代では、マラソンや徒競走で何人も一気に追い抜く時に「ごぼう抜き」を使います。
抜きにくいごぼうを一気に引き抜く大変な作業を、競争で何人も一気に追い抜く様子に例えています。
明治時代には人材を引き抜くという意味でも使われていた
明治以降には、大勢の中からよりいい人材を引き抜く意味で「ごぼう抜き」が使われるようになりました。
複数のごぼうを同時に抜こうとすると抜きにくいため、1本ずつ順番に抜く必要があることを、人材を引き抜く様子に例えています。
1960年代ごろは中心人物を検挙するという意味でも使われていた
1960年代の学生運動の頃には、中心人物を検挙すると言う意味で「ごぼう抜き」が使われていました。
人材を引き抜く例えと同じように、ごぼうは畑にびっしりと生えているため、1本ずつ順に引き抜く様子を、学生運動の中心人物を検挙・排除する様子に例えています。
ごぼう抜き以外で食べ物が入っている言葉と語源
①大根役者
大根役者の意味
大根役者は、演技力の下手な役者を意味する言葉です。
江戸時代の歌舞伎で、舞台上の俳優に悪態をつく場面で使用されたことが「大根役者」の起源と言われています。
大根役者の語源
大根役者の語源には、諸説あります。
大根が白い様子を素人のような演技の、素人の「しろ」にこじつけたという説や、大根は消化の良い野菜でどう食べても腹を壊さないことから「どうやっても当たることがない」役者を言ったという説です。
他にも、演技が下手な役者が人の役を任されず馬の足を演じ、馬の足が大根を連想させたという説があります。
②もやしっ子
もやしっ子の意味
もやしっ子とは、もやしのように細くて背が高い子どもを意味します。
もやしっ子の語源
もやしっ子の語源は、もやしは光を当てずに発芽させるため、特に色白で体力のないヒョロヒョロとした体型の子どもをもやしに例えたことからきています。
③タケノコ生活
タケノコ生活の意味
タケノコ生活とは、生活のために手持ちの家財や衣類などを少しずつ売って生活費とし食いつないでいる暮らし方を意味します。
タケノコ生活の語源
タケノコ生活の語源は、敗戦直後の日本の食糧難からきています。
敗戦後の日本は、食料と物資が不足していたため、人々は自分の衣服を食料と交換していました。
自分の衣服をどんどん手放していく様子を、竹の子の皮剥きに例えたことが「タケノコ生活」の由来です。
関東ごぼうと関西ごぼうは長さが違う
関東で栽培されたごぼうと関西で栽培されたごぼうでは、ごぼうの長さに違いがあります。
その理由は土壌の違いです。
関東は耕土が深くて水捌けが良いため、長いごぼうが作られます。
関西は耕土が浅くて水捌けが悪いため、短いごぼうが作られます。
日本では、一般的に関東の長いごぼうが全国的に広まっています。