ぐっすりは江戸時代に使われ始めた言葉ですが、意味合いがその時々で変わっているため、語源がはっきりしないとされています。
good sleepがぐっすりの語源ではないかという都市伝説がありますが、まだ英語が日本に伝来する前から、ぐっすりという言葉が使われていましたので、good sleep説は誤りです。
では、ぐっすりの語源がハッキリしない理由である、江戸時代の様々な使われ方を紹介します。
ぐっすりの語源はハッキリしていない
ぐっすりの語源は、はっきりとわかっていません。
ぐっすりという言葉は、江戸時代にはすでに使われていましたが、3つの異なる意味合いで使われていました。
その3つの関係性もわかっておらず、その時々でぐっすりの意味が変わっている事も語源がハッキリしない理由の一つです。
江戸時代のぐっすりの意味①すっかり・そのまま
江戸時代に流通していた「即席耳学問」という書物には、「其身六十にあまる比は、人も知る金持となりしを、ぐっすり息子に譲り」という一文があります。
ここでいう「ぐっすり」は、すっかり・そっくりそのままという意味があります。
江戸時代のぐっすりの意味②十分に・しっかり
江戸時代の歌舞伎の演目「四十七石忠矢計」には、「又ぐっすり呑めるぜ、おい旦那は御如在がねえな」という台詞があります。
ここでいう「ぐっすり」には、十分に・しっかりという意味があります。
ぐっすりと聞くと、よく眠っている・熟睡しているという意味を、一番に思い浮かべるのではないかと思います。
現代の意味に最も一番近い意味で使われています。
江戸時代のぐっすり③すっかり濡れる様・ぐっしょり
1856年の歌舞伎「夢結蝶鳥追」では、すっかり濡れる様・ぐっしょりという意味で使われています。
また歌舞伎「雑石尊贐(とりまぜてしゃくそんみやげ)」では、物を突き刺す音・その様子を表す言葉として「ぐっすり」が使われています。
ぐっすりはこのように、意味合いがその時々で変わっていることが、語源がはっきりしない理由の一つでもあります。
ぐっすりの語源がGood Sleepというのは誤り
ぐっすりの語源が「good sleep」だという説は誤りです。
理由は先ほど述べたように、鎖国中であった江戸時代には「ぐっすり」がすでに使われていたためです。
また、そもそも英語圏には「good sleep」という言葉はありません。
ぐっすり眠るは英語で「sleep like a baby」
ぐっすり眠るは英語で「sleep like a baby」と言います。
直訳は「赤ちゃんのように眠る」という意味です。
赤ちゃんは眠るとなかなか動かず、全く起きないくらい深く眠ります。
その様子をそのまま英語で「sleep like a baby」と表現しています。
羊が一匹、二匹は英語でやらないと意味がない
眠れない時に「羊が一匹、羊が二匹」と数えるのは、英語で羊が「sheep」なので「sleep」と発音が似ており、自己暗示の効果がある為です。
その為英語で羊を数えないと、効果はありません。