へそくりの語源は、「綜麻」(へそ)という麻糸を紡ぐ内職で得たお金を貯めた事が最も有力な説として挙げられます。
しかしながら、この説以外にも2つの説が存在します。
へそくりの語源は「綜麻繰り」「カラスビシャク」「臍繰り」と3つの説がある
①綜麻繰りという糸を作って貯めたお金
「綜麻」とは麻糸をグルグル巻きにした束のことをいいます。
かつて女性がお金に困った際に、麻糸を紡ぐ作業を内職にして、そこから得たお金を貯蓄に回していたことから「綜麻繰り金」と呼んでいました。
いつしか「綜麻繰り金」は「へそくり」に略され、定着していきました。
この説が、数ある説の中でも、最有力とされています。
ちなみに「綜麻」がへそくりの語源であるという解説は↓の動画で詳しく紹介されていますし、「綜麻」の実物も紹介されています。
②へそに似たカラスビシャクを薬屋に売ったお小遣い稼ぎ
カラスビシャクというサトイモ科の植物があり、カラスビシャクの球茎を取り去った形状が臍のように見えることから「別名:へそくり」とも呼ばれています。
また、この植物は薬草としても使われ、薬草の材料として価値があったため、農家の人たちが農作業の間にこっそりと、球茎を掘り出して薬屋に売って、ちょっとしたお小遣い稼ぎをしていたようです。
このことから周囲に内緒で小銭を貯めることを「へそくり」と呼ばれるようになったという説もあります。
ちなみに実物のカラスビシャクは↓の動画で詳しく紹介されています。
へその形にそっくりです。
③腹巻にお金を巻いて無くさない臍繰り
昔、女性はお金や大切なのものなどを腹巻で巻き付けて、なくさないように保管していました。
そこから、「臍」(へそ)の奥から繰り出すお金という意味から「へそくり」になっていたという説もあります。
現代人のへそくり貯蓄方法
①生活費の余剰金など
- 生活費をなるべく切り詰めて、そこから出た余剰金をへそくりに回す。
- 1か月の予算を組んだ後、多めに生活費を請求して、予算から必要経費を除いたお金を先取り貯蓄する。
- 生活費は夫が持ち、パート代はすべて自分用に貯金をする。
②つもり貯金
- お菓子やジュースを買ったつもりで貯金。
- 衝動買いしがちな物(スイーツや服など)をがまんできたときは、代金分を「つもり貯金」。
- コロナ禍になって、「旅行」「レジャー」など、できなくなったイベントをつもり貯蓄に回している。
③リサイクルショップやフリマアプリを活用
- 定期的に洋服やバッグなどを断捨離するときに、メルカリやリサイクルショップで不用品を売る。
- リサイクルショップで掘り出し物を仕入れ、メルカリで高く売る。
④ポイ活
- モッピーやハピタスなどのポイントサイトに登録して、モニターやアンケートで収益を得る。
- 一度の買い物でカード利用の還元と提携先のポイントが同時に貯まる「二重取り」を狙い、買い物をする。
まとめて得たお金を貯蓄、少額でもコツコツと貯蓄に回すなど、へそくりの貯蓄方法は様々です。
時代や事情が変わっても女性は、へそくりに対しての行動が活発なのは同じようですね。
へそくりの平均額
30~50代の既婚主婦を対象にした調査データがあり、結果は以下の通りです。
出典元:「暮らしニスタ」今どき主婦のへそくりって?“隠す”より“オープンにして口座管理”するのが新常識!【今どき主婦のお金のホンネ】調査
1位の「100万円以上貯めている」と2位の「10万円未満」で、2つの金額がかなり極端です。
1位の傾向としては、主婦形態のパート27.8%、フルタイム27.3%で合計55%の比率のことから、給料をそのまま「へそくり」に充てているのではないかと思います。
そして2位の傾向としては、生活費など浮いたお金を、少額でもコツコツと「へそくり」に回していると予想されます。
このように、まとめて貯蓄型とコツコツ貯蓄型でヘソクリの貯蓄方法が、二極化しているのがわかります。
見つからないへそくりの隠し場所
自宅以外の場所で保管する代表的な種類
- 自分名義の銀行口座
- ネットバンキング
- 証券口座(投資信託など)
口座だとアカウントや暗証番号が求められるので、絶対に旦那さんにはバレないので安全だと言えます。
またネットですぐに残高の照会ができるので、合理的でもあります。
現金タイプが選ぶ代表的な場所
- タンス・クローゼット
- 冷蔵庫
- 化粧品箱やポーチの中
旦那さんの利用頻度が少なさそうな場所に隠していて、特に化粧品は男性には無関係なので、安全だと言えますが、旦那さんの性格・趣味など一通り把握してからでないと、現金でのへそくりはリスクが高いかもしれませんね。
着物が語源になった言葉
「要領」の語源
衣服と人体の部分で、「要」は「腰帯・腰」を表し、「領」は「襟首・うなじ」のことを指します。
つまり、「腰」と「首」は人体でも衣服でも大切な部分を意味しますので、そこから物事の基本となる最も重要な部分という意味に変化していきました。
着物をたたむ際、腰や襟を持つときれいに畳みやすいと言われていますが、その点からも、「要領」は衣服の要点・大切な部分であることがわかります。
たとえば「要領がいい」とは、大事なところを把握していること、また「要領を得ない」は、説明が分かりにくくて要点が分かりにくいという意味で使われています。
「辻褄」の語源
「辻」は裁縫で縫い目が十字に合う部分、「褄」は着物の裾の左右が合う部分のことで、いずれも合うべき部分を意味します。
着物の辻も褄もきちんと合わせて、着付けをしていくことから、話の道筋や物事の道理が合うことを「辻褄が合う」、道筋や道理が合わないことを「辻褄が合わない」という意味でつかわれるようになりました。
「襤褸が出る」の語源
「襤褸(ぼろ)」とは、汚れたり、古くて使えなくなってしまったりする状態の生地や衣服のことを指します。
着物から隠していた襤褸の部分(汚れや破れなど、人に見せたくない部分)が出てしまっている状態から、「襤褸が出る」という言葉が生まれたと言われ、人が今まで隠していた欠点や汚点がばれてしまうという意味で使われています。
へそくりの語源にもなった「麻」にまつわる雑学
「麻」の漢字の由来は植物の「あさ」
「」はこの漢字だけで植物の「あさ」を意味し、「广(まだれ)」は屋根や屋内を意味します。
この字を組み合わせると、「屋内」で、「」を水に浸し繊維をほぐし、皮を剥ぐ一連の作業を行うことから、「麻」が生成されるという意味になり、これが「麻」の漢字の由来となっています。
「麻」を加工したものは、やがて麻糸や麻布になり、天然由来の風合いを生かし、現代までに洋服や雑貨など、いろんなものに使われてきます。
主に麻が使われる物
麻は「リネン」とも呼ばれるようになり、優れた吸湿性と撥水性を持ち合わせていることから、以下の材料が代表的に使われています。
- 衣類(シャツ・ワンピースなど、夏によく涼素材として販売されますね)
- 寝具(枕・シーツ)
- ハンカチ
「リネン」は、「肌に優しい、心地いい素材」としてイメージとして世間に定着していきます。
「麻」を人の名前に使う意味
麻の素材が、「強くてしなやかな素材」「柔らかい素材」というイメージが根強くなってきたことから、人の名前にも使われるようになりました。
・人を優しく包み込むような、温かい人になってほしい
・生きる気力に満ち溢れ、たくましい子に育ってほしい
・芯の強い子になってほしい
という麻の繊維特性を由来として、名付け親の願いや想いを込めながら、男女ともに「麻」を組み合わせた名前が1980年代から人気となっています。
たとえば、麻衣(マイ)、麻由(マユ)、麻希(マキ)、拓麻(タクマ)壮麻(ソウマ)などがポピュラーです。