三昧の語源は瞑想を意味するサンスクリット語のサンマーディの当て字

三昧の語源は、瞑想によって精神の集中力が深まりきった状態を意味するサンスクリット語の「サンマーディ」です。

では、「サンマーディ」がどのように「三昧」となっていったかについて紹介します。

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三昧の語源はサンスクリット語の「サンマーディ」を仏教語にしたもの

「三昧(さんまい)」は、サンスクリット語の「サンマーディ」の音を漢字に当てて、仏教用語になったものです。

サンマーディとは、仏教やヒンドゥー教における、瞑想によって精神の集中力が深まりきった状態のことを言います。

サンマーディの音をとり、「三昧」は元々邪心を捨て精神を集中させることという意味を持ちました。

サンスクリット語とはインドの古代言語

サンスクリット語はインドの古代言語の一つで、サンスクリットは「正しく構成された雅語・言語」という意味があります。

サンスクリット語は、古代インドでは共通語として用いられていました。

日本では、サンスクリット語のことを「梵語」と表記されることがあります。

仏教用語には、サンスクリット語を音写したものと意訳したものがあります。

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サンマーディに「三」と「味」を当てた理由

サンマーディに「三」と「昧」を当てた理由は、同じくサンスクリット語から仏教用語となった「三昧境」から来ています。

仏教で修行を積むと、雑念から離れた忘我の境地に達すると言われています。

この境地のことを、仏教用語で「三昧境」と言います。

「三昧鏡」の「三」と「昧」には特に意味はなく、当て字だとされています。

「三昧鏡」とサンマーディが同じような状態であることから、「三昧鏡」の「三昧」をとってサンマーディに当てたとされています。

サンスクリット語はどうやって日本に伝来したか

サンスクリット語は、中国経由で仏教・仏典とともに日本に伝来したとされています。

仏教が日本に伝来したのは6世紀で、その頃にサンスクリット語も日本へ伝わったとされています。

サンスクリット語発祥の言葉

旦那

旦那の意味

旦那は、夫または男性の雇用主を意味します。

旦那の語源

旦那の語源は、「布施」と訳されるサンスクリット語「ダーナ」が由来だとされています。

「ダーナ」には、与える・施すという意味があります。

元々は仏教を広めるために「布施」をして、布施をする人のことを「檀那(だんな)」と呼んでいました。

近世では、自分の仕える主人の呼ぶときの敬称を「檀那」が由来して、「旦那」と表記するようになりました。

さらに時が経ち、妻が夫を呼ぶときに「旦那」が使われるようになったとされています。

 

彼岸

彼岸の意味

彼岸は、煩悩を脱した悟りの境地を意味します。

彼岸の語源

彼岸の語源は、「到彼岸」と訳されるサンスクリット語「パラミーター」が意訳されたものだとされています。

「パラミーター」とは、完成する・成就するという意味があり、その意味が転じて、仏教の修行に置いて達成されるべきものという意味を示すようになりました。

 

お盆

お盆の意味

お盆は、先祖の御霊をしのび供養する日という意味があります。

 

お盆の語源

お盆の語源は、「盂蘭盆会(うらんぼえ)」と訳されるサンスクリット語「ウラバンナ」が由来だとされています。

「ウラバンナ」には、逆さに吊り下げられるような苦しみにあっている人を救う法要という意味があり、亡くなった人たちが苦しむことなく成仏するように供養する「盂蘭盆会」に転じたとされています。

 

「三昧」が高貴な意味からマイナスな意味に変化した理由

「三昧」がマイナスな意味に変化したのは、「放蕩三昧」という四字熟語が理由だと考えられます。

「放蕩」には、欲しいがまま、思うがままにと言う意味があります。

「三昧」は、元々邪心を捨て、精神を集中させることを表した言葉です。

2つを組み合わせて作られた「放蕩三昧」という言葉は、好き勝手に生活し酒や女に溺れて品行が悪い生き方を言います。

「放蕩三昧」という言葉は、芥川龍之介の「孤独地獄」や木下尚江の「火の柱」で使われています。

「放蕩三昧」が使われている文学が広く世に広まったことで、「三昧」がマイナスのイメージを持たれるようになったと考えられます。

現代では「ネット三昧」や「ゲーム三昧」など、そのことだけにどっぷりと浸かっている状態のことを「三昧」という言葉で表すことが多くなりました。

 

日本人で最初にサンスクリット語を理解したのは空海

空海は、日本人で最初にサンスクリット語を理解した人物だとされています。

その根拠には、空海が「声字実相義」という仏教書を著していることが挙げられます。

この「声字実相義」は、サンスクリット語の文法などをまとめた言語学書です。

本にまで記しているため、空海はサンスクリット語を理解し扱っていたと考えられています。

また、空海はサンスクリット語をたった3ヶ月でマスターしたという逸話もあります。

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