ハイターなどの漂白剤で脇の黄ばみがなかなか取れていない事がかなり多いんじゃないでしょうか。
それは、あなたがハイターなどの漂白剤の正しい使い方をしていないからです。
重曹やクレンジングオイル、アイロンのスチームなど、色々と漂白剤+裏技的なものも雑誌やネットで色々と紹介されていますが、その前にまずは漂白剤のちゃんとした使い方を確認しましょう。
その上で、漂白剤プラスαに挑戦することをオススメします。
シャツの黄ばみを落とすのにはアルカリ性漂白剤が必要
YシャツやTシャツの黄ばみの原因はリポフスチン、そして、その元はアポクリン汗腺から出る汗です。
アポクリン汗腺の汗の主成分は、タンパク質や脂質、脂肪酸、糖質です。
これらの分解にはアルカリ性の洗剤が必要です。
さて、ここでシャツの黄ばみを白くするのにお馴染みの漂白剤なのですが、皆さんはどのタイプのハイターを使っていますか?
ハイターに種類なんてあるの?なんて思ったあなたは、確実にハイターを正しく使えていません。
ちなみに、ハイターに限らずどのメーカーから出ている漂白剤を使っていても良いですが、必ずアルカリ性の漂白剤を使ってください。
漂白剤というと一見どれも同じだと思っている方が多いでしょうが、成分表示をよく見てください。
漂白剤にはアルカリ性、酸素系がある。
例えばこちらの花王の液体のワイドハイターEX。分類としては、酸素系漂白剤で、酸性です。
続いて、花王の同じくワイドハイターEXですが、ただし粉末です。こちらも同じく酸素系漂白剤ですが、こちらはアルカリ性です。
同じ名前の漂白剤なのに、液体と粉末とで酸性系とアルカリ性と違います。
先ほど紹介しましたが、シャツの黄ばみの原因であるアポクリン汗腺から出る汗に含まれるタンパク質や脂質、脂肪酸、糖質等を分解するにはアルカリ性です。花王社のハイターを使う場合は、粉末の漂白剤を使うようにしてください。
ちなみに、これまでにシャツの脇の黄ばみを取るために漂白剤に重曹を加えてというサイトを見たことが有るでしょう。
これは、液体のワイドハイターEXも漂白作用は多少はあり、黄ばみにもっと作用させるために、重曹を加えることでアルカリ性にして、シャツの脇の黄ばみを取り除くという事を意味します。
ちなみに、ハイターと名前の付く漂白剤にはもう2つあります。
こちらは塩素系で、アルカリ性です。このハイターは漂白作用がかなり強いので、服への負担も大きいです。かなりヤバイ黄ばみの時だけ使いましょう。そして、色物、柄物の場合、元々の色まで落としてしまう、変色させてもしまうので、白シャツだけに使いましょう。
そしてもう一つ、ハイターの名前がついた漂白剤がコチラ。
これはちょっとレアなものになりますが、ハイドロハイターは還元系漂白剤という種類のもので、プロのクリーニング屋さんでもなかなか使いこなすのが、難しいシロモノです。
お家でシャツの黄ばみを取り除くことに、ここまでの漂白剤は不要です。
漂白剤の使い方で再確認するべき3つのポイント
さて、シャツの脇の黄ばみのためにどの漂白剤を使えばよいかが分かったところですが、これまでにもアルカリ性の漂白剤を使ったけど、黄ばみが取れてなかったという経験をしたことが有るという人もいるでしょう。
では、その方に質問です。どのように漂白剤を使いましたか?
おそらく次の3タイプでしょう。
- 洗濯機に洗剤と一緒に入れて洗った。
- シャツの黄ばみに直接かけた。
- 漂白剤を溶かした水に浸け置きをした。
正直な所1.ではパワー不足です。プロのクリーニング屋さんで、襟、脇の黄ばみ落としをするのに、漂白剤を単純に洗濯機に入れて洗うという人はいないでしょう。
次に2.のシャツの黄ばみに直接かけるというやり方。
これ、かなりパワーがあって黄ばみを分解しそうな気がします。よく洗剤のCMで見る汚れを分解するイメージ図が思い浮かぶかもしれませんが、そんなに単純なものでもありません。
実は黄ばみの中の脂を落とすためには、ある一定以上の温度が必要です。
一度お湯の中にシャツを浸すなどして、脂を一回浮かばせてから、柔らかくしてから、漂白剤を付けると効果的です。
最後に、3.の浸け置きのやり方。
これが一番ラクではあるのですが、一番正しく漂白剤を使えていない、そしてこの漂白剤使えないな、キレイにならないなという誤解を与えているやり方でもあります。
漂白剤の使い方をよく見てみてください。
浸け置きの場合、水1リットルに対し、漂白剤10ミリリットルとあります。よくある漂白剤の間違った使い方として、水の分量に対して、漂白剤の量が圧倒的に少ないということがあります。
浸け置きする時に、どのような容器を使うかは人それぞれでしょうが、水1リットルってどのぐらいの量か分かっていますか?
浸け置きする時に、よく使われることが多い風呂桶ですが、下の写真、一般的な大きさの風呂桶ですが、何リットルの水が入っていると思いますか?
正解は2リットルです。つまり必要となる漂白剤は20ミリリットルです。大体このぐらいの大きさの風呂桶でシャツ1枚を浸け置きできるぐらいです。
つぎに、洗面台。下の写真はどのぐらいの水が入っているでしょうか。
少ない!と思ったかもしれませんが、これで先ほどの風呂桶と同じく2リットル入っています。とてもシャツが入るとは思えない分量でしょう。
ちなみにこれで4リットル。
これでも少ないと思ったでしょう。そしてシャツ1枚が浸け置きできるどうか微妙なところです。これで、漂白剤の量は40ミリリットル。漂白剤のキャップ1杯分です。
もしシャツ2枚とかを漂白剤に浸け置きする場合には、かなりの量の水と漂白剤が必要になるということが分かったかと思います。
何枚のシャツをつけ置きするかによって、使う水の量は異なりますが、感覚的にはシャツ1枚に対しキャップ1杯分の漂白剤は最低でも必要です。
なお、先ほどから水、水と言っていますが、浸け置きの場合にも40℃前後のお湯を使って浸け置きをしましょう。
実録!漂白剤(ハイター)+重曹でどれだけ黄ばみが消えるか
黄ばみを消したい、キレイにしたいと思って検索したり、調べたりすると、漂白剤+重曹という裏技的なものを目にすることが多いでしょう。
特に漂白剤だけじゃ、今ひとつシャツがキレイにならない場合には、オススメ的な洗い方として出てきます。
でも、実際どのぐらいきれいになるのかってちょっとナゾですよね。
そこで、実際に試してみました。
今回使用したシャツは無印のリネン100%のシャツ。
ちょうど脇のところがかなり黄色くなってしまっています。実物は写真以上に黄ばみが目立っていました。
そして、今回は3リットルのお湯にワイドハイター30ml、重曹を大さじ4杯。黄ばみのところに直接重曹をふりかけました。
この状態で1時間漬け込み
1時間漬け込んだ後、洗濯機で洗い、乾かした後のシャツがコチラ↓
どうでしょう。
気持ち、若干黄ばみが残っていると思えなくもないかもしれませんが、ほぼキレイになりました。
漂白剤+重曹でシャツはキレイになります。
ただ、これが漂白剤だけだった場合とどのぐらい違うかというと、実際はそうでもないような感じです。
シャツの黄ばみの前に黒ずみを落とす方法
黄ばみ汚れに埃が溜まってしまって、すでに黒ずみになっていた場合、黄ばみを落とす前に黒ずみを落とす必要があります!
ここでは、もっとも簡単に黒ずみを落とす方法を紹介します。
必要なものはたった2つ。
- 食器用洗剤
- 歯ブラシ
食器用洗剤には、黒ずみの原因である脂を落とす効果があります。
Yシャツの黄ばみである皮脂汚れ=フライパンやお皿の油汚れを落とすのも全く同じメカニズムで落とします。
お皿やフライパンの油汚れを浮かせて取るのと同じように、Yシャツの皮脂汚れを浮かせる事によって、黄ばみを落とすことが出来るというメカニズムです。
ちなみに食器用洗剤がアルカリ性かというと、殆どが中性です。
食器用洗剤の場合、何故中性なのに、酸性である脂を落とすことが出来るかというと、界面活性剤の働きが大きいです。
界面活性剤には脂などの汚れを浮かせる働きがあります。これがYシャツの皮脂汚れを落とすのに効果があるわけです。
加えて歯ブラシで繊維にこびりついた黒ずみを掻き出してあげることで、黒ずみがきれいになります。
シャツの脇の黄ばみはワキガが原因ではない。脇が黄ばむ3つの原因
シャツの脇が黄ばんでいると、オレもしかしてワキガなんじゃないかと思う人もいるでしょう。
確かにワキガの人のシャツは黄ばみます。でも逆にシャツが黄ばんでいるからといって、みんながみんなワキガなわけではありません。
シャツの脇が黄ばむ3つの原因
シャツの脇が黄ばむ原因は3つあります。
- 汗そのものが原因
- 汗をかくのが下手になっているから
- 制汗剤が合っていないから
それでは一つずつ紹介します。
1.汗そのものが原因
人間には多くの汗腺がある事はご存知でしょうか。
暑かったり、身体を動かしてすると体中の色んな場所から汗をかくでしょう。これは汗腺が体中に張り巡らされているからです。
そしてこの汗腺には大きく2種類があります。
- エクリン腺
- アポクリン汗腺
まずエクリン腺。これが体中に張り巡らされている汗腺です。
そしてもう一つがアポクリン汗腺。このアポクリン汗腺はエクリン腺と違い、身体の特定の部分しかなく、そしてその一つが脇です。
さて、エクリン腺、アポクリン汗腺と2つの汗腺が身体にはあるのですが、それぞれの汗腺から出る汗について、ざっくりと紹介すると、エクリン腺から出る汗は99%水分であり、ほぼ無臭。
一方、問題のアポクリン汗腺は70〜80%水分ですが、残りの20〜30%はタンパク質や脂質、脂肪酸、糖質などです。
このタンパク質や脂質、脂肪酸、糖質を含んだ汗が黄ばみの原因です。
さて、アポクリン汗腺から出る汗についてもう少し詳しく紹介します。
アポクリン汗腺から出る汗の中には、リポフスチンという色素がありますが、これがYシャツやTシャツに付着することで黄ばみとなっていきます。
ですから、YシャツやTシャツに付いたアポクリン汗腺からの汗を分解する事が必要になります。
2.汗をかくのが下手になっているから
運動不足などが原因で、汗腺機能が低下すると、さらさらではなくネバネバの汗をかくようになってしまいます。
粘りのある汗は黄ばみの原因にもなるのです。
3.制汗剤が合っていないから
脇にいる細菌や皮膚の状態は人それぞれです。
それぞれの人の肌に合った制汗剤、合わない制汗剤が存在します。
黄ばむデオドラント剤も人によっていろいろです。デオドラント剤を変えてみると、黄ばみがなくなるかもしれません。
シャツの脇の黄ばみを予防する6つの方法
脇の黄ばみを綺麗に落とすことができたら、もうシャツに黄ばみをつけたくはないですよね。
脇の黄ばみの原因はほとんど汗ですから、汗がワイシャツにつかないようにすれば、黄ばみも予防可能です。
ここでは黄ばみを予防する方法を6つ紹介したいと思います。
肌着を着る
汗をかいてしまうのは仕方がない。なら、汗を洋服につけないようにしよう!その考えで黄ばみ予防をするなら、肌着を中に着ることがオススメです。
最近では、Yシャツから透けないベージュ色の肌着やシームレスの肌着も多くあります。
さらに消臭や放湿効果のある肌着もあるので、シャツ一枚で過ごすよりも快適ですよ。
脇汗パッドを使う
シャツは下着だから中に肌着を着るなんてジェントルマンのすることではないとポリシーを持っている人もいるでしょう。
そんな方には脇汗パッドをオススメします。
脇汗パッドを服の脇部分に貼れば、パッドが汗を吸収してくれて汗染みや黄ばみがつかないようにしてくれます。
ワイシャツには汗がつかないので、黄ばみもしっかり予防できますし、汗ジミも気になりません。汗が目立ちやすい夏の時期にはとても便利ですね。
脇汗が出ないようにすることはできませんが、汗がシャツにつかないようにすることはできます。
制汗剤を使う
そもそもシャツの黄ばみの原因たる汗そのままを抑えたいという方には、制汗剤がおすすめです。お出かけ前に脇に塗っておけば、一日汗を気にせず過ごせちゃいます。
ただ、気をつけてもらいたいのは、人によってはより黄ばみを生み出してしまうものもありますので、いろいろ使ってみて、自分にあった制汗剤を見つけてください。
テープを貼る
これは脇というよりも襟に主にオススメなのですが、黄ばみが気になる部分には、あらかじめ布テープを貼っておくことです。
貼っておいたテープの黄ばみや黒ずみが気になったら、ベリっと剥がして捨てるだけ!わざわざ漂白する必要がないので、ワイシャツのお手入れがかなり楽になります。
Amazonや楽天で「布テープ」と検索すれば、色んな商品が出てきますので、色々と試してみてください。
ベビーパウダーをつける
お洗濯が終わったあと、ひと手間かけることで黄ばみを予防することが出来ます。
それは着る前のワイシャツにベビーパウダーをつけることです。
ベビーパウダーは皮脂や汗を吸収してくれるので、ワイシャツに直接、皮脂や汗がつくのを予防することができます。
ちなみに、ベビーパウダーは普通のお洗濯で簡単に落ちますから、ベビーパウダーの汚れ残りを心配する必要もありません。
できるだけ早く洗濯する
シャツに汗がついてしまっても、その時間を短くすることで黄ばみを防止できます。一度着たシャツはできるだけ早く洗濯しましょう。
時間がたつほど汚れは落ちにくくなるので、こまめな洗濯ができるといつもキレイなシャツをキープできますよ。
まとめ
シャツの脇の黄ばみ落としに対する漂白剤の正しい使い方について、黄ばみの原因とともに紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
漂白剤をちゃんとした使い方をすれば、シャツの脇の大抵の黄ばみは落とせます。
ただ、もう黄ばみが脇のところに染み付いてしまって漂白剤ではどうしようもない、かなり強い漂白剤を使うのはシャツを傷めてしまいそうで怖いという人もいるでしょう。
その場合はプロであるクリーニング屋さんにお願いすることもオススメします。